| 奇 縁 渋川 登 平成２年１０月、岡山市浦安総合公園庭球場にて開催された第１７回全日本医師テニス大会で松江の中島 隆先生とペアーを組み、強敵、東 徹先生・岡島英五郎先生ペアーを破って優勝できたことは、私にとって生涯忘れることの出来ない嬉しい出来事でした。（写真①） 写真①  写真②  平成８年正月、タイのプーケットで外国人の御夫婦から一緒にテニスをしませんかと声をかけられた。息子とペアーを組んで（私達親子は全国親子大会で三位 の実績あり）プレイした所６－４で負けた。翌日もまた６－４で負けた。その年の４月の或る日ドイツから小荷物が届いた。中に手紙とミュンヘンで発行された 日本語で書かれたミュンヘンの観光書が入っていた。手紙にはプーケットでテニスをしている時と食事をしている時の写真があれば欲しいと書かれてあった。未 だ欧州に行った事のない私は、その本の絵の美しさにすっかり魅了され、ミュンヘンに行きたい気持ちを抑えることが出来なくなり、８月にテニスもかねて訪ね て行っても差し支えないかと書いて写真に同封した。 楽しみにしているから予定を知らせて欲しい。空港まで迎えに行く、とFaxが入った。いよいよその時がやって来た。 私達はホテルに滞在したが、家にも食事に招かれた。応接間には多数のトロフィーや楯が置かれており、ペアーのメダルが目についたので何かと尋ねると、５ 月にあったミュンヘンでのミックスダブルスの優勝記念との事、強いはずだ。あのベッカーが引退する時ドイツにおける最後の試合をした名門GROSSHES SELOHE TENNIS CLUBの会員である御夫婦と翌日そのクラブでゲームをした。私の好きなアンツーカーのコートであったこともあり、今度は私たちが勝利を得た。その後も２ 度ミュンヘンにいき、Schonご夫妻も２度大阪に来られた。写真②はホテルニューオータニのコートでテニスをした時の写真であるが、私たちの連勝が続い ている。 今年は９月１８日から息子とミュンヘンのオクトーバーフェスタに行くことになっているが、先日Schonさんから入ったFaxには、９月の私達とのテニスに備えて、クラブのコーチを連れてイタリアまでテニスキャンプに行って来たとの事、当日が待ち遠しい。 最後に、ドイツ語も英語も差ほど話せない私が、どうしてこのように親しくお付き合い出来るか。初めて訪ねた時、御主人は私をオーストリア、ザルツブルグ のモーツァルトの生家へ案内して下さった。プーケットで食事をしながら話をした時のことを覚えておられたのだ。そして、３日目にコンサートのチケットが取 れたと連絡があった。しかし困ったのは家内である。 日本を出発する前にJTBにミュンヘンでのコンサートの有無を調べてもらった所、夏休みでないとの事で服装を何も用意していなかったのでお断りして欲し いと言ったが、劇場の入口で待ち合わせているので、とにかくそこまで行ってからという事にして、劇場に向かった。本通りに出ると正装して香水をつけている 御婦人方が大勢歩いている。そして入口の所で待っておられた奥様を見て、とても深い感動を覚えたのである。普段着で来ておられたのである。家内がコンサー ト用の服装を用意していない事を伝えていたからであるが、出来そうで出来ないことである。 まだまだ、語り切れないほどの気働きを頂いているが、これが私達の間のスマートなお付き合いの根源となっていると思う。 次は、千葉県柏市の古谷 彊先生にお願いします。 |