北の青森から　　　　　　青森市　福士和夫

　千葉の古谷先生が、本州の北端でささやかにテニスを続けている私を覚えていてくれてご指名いただき大変うれしく思いました。錚々たる方々の後で気が引けるのですが、テニス後進県から一報をお届けします。
　学生時代、柔道空手応援団の硬派路線を突っ走って来た私は、女性と一緒にプレイをしているテニス部員に言われも無き“シット”の炎を燃やし、なんだアイ ツら！軟派！テニスなんて女子供の遊びだ！（すみません）などと恐ろしい独断と偏見を抱き続けておりました。それがなんと４２歳を過ぎてから初めてラケッ トを握り、四苦八苦しながらも、その楽しさにのめり込むようになろうとは！あ〜もう少し早く始めていたら・・・、もう少し上手く・・、と後悔しても、もう 手遅れ。

　平成元年７月、第１６回全日本医師テニス札幌大会　壮年ダブルスＢに初めて参加しました。５２歳でした。予選リーグで５−２とリードしながら勝利を意識 したのか緊張のあまり右腕が硬直しスウイングが出来なくなり５−６と逆転負けし、パートナーの柿崎幸雄先生に申し訳ないことをしたのを昨日のことのように 覚えております。
　転機は二度目の出場となった第１８回静岡大会でした。予選リーグで、あろうことか愛知県の強豪「峯田、上条組」に７−５で逆転勝利し、初めて決勝リーグ へ進出。準決勝で広島の「日域、藤堂組」に６−７（タイブレ６−８）で惜敗しましたが柿崎先生と私は天にも昇ったような気分でＢクラスとはいえ、青森県初 の銅メダルを喜びました。

　勢いずいて続く仙台、山口（写真１）、大阪大会と予選リーグは突破するのですが、どうしても準決勝の壁を破れず、いつしか銅コレクターの異名，我々ペア の限界を悟りました。しかしあきらめずに出場を続けたせいでしょうか、第２３回熊本大会で私がシングルスで優勝（６０歳以上Ｂ）し青森県に初の金メダルを 持ち帰りました（写真２）。翌年広島大会では小樽市の三浦悟先生とのペアでダブルスに優勝（５５歳以上Ｂ）し、漸く我々に“継続は力なり”の効果が出始め ました。我々に刺激を受けた若い仲間たち「福士（盛）、下山組」が徐々に力をつけ第２７回名古屋大会で優勝（４５歳以上Ｂ）、第２９回京都大会でも５０歳 以上Ｂで優勝し今年はＡクラスにエントリーするまでに成長しました。　　　　　
　１１月から４月中旬まで霜や雪のため戸外のコートは使えなくなり、未だ正式な室内テニスコートのない青森ですが、１０年前、協会を設立し第一回青森県医 師テニス大会（ダブルス）を開催、以後順調で今年８月３１日には第１０回大会（ダブルスA,B シングルス、家族ダブルス）が開催されるまでになりました。この大会をステップに全日本大会へ出場する選手も段々増えてきました。先進地の皆様にはとても 及びませんが、いつの日かAクラスでの入賞をめざしして，北の仲間たちも短い夏を頑張っております。どううぞよろしくご指導ください。

　　　　　　　　次は沼津市の中山博司先生、よろしく。　私にテニスを勧めてくれた恩人（？）です。